2010年08月16日

ヤバい経済学


世の中には、数字でしか物事を判断しない経済学者ほど、頭の固い人種はいないと思っている人も少なくないかもしれない。
この人は違った。レヴィットにとって経済学は、世の中の不思議を解き明かすツールでしかない。そんな彼を、アメリカの先達たちは、「アメリカで最も聡明な若手経済学者」と呼ぶ。
レヴィットの研究は例えばこうだ。「1995年当時、ほとんどの犯罪学者がアメリカのティーンエイジャーの犯罪件数は、今後10年間で増加の一途をたどる」と予想したのに、わずか5年で50%以上減少した。これはなぜだろう?
これを予想できなかった専門家たちは、さまざまな言い訳を語る。いわく
「銃規制が広まったため」、いわく「ニューヨーク市警の取り締まり戦略が功を奏したため」、いわく「好景気が犯罪発生率を抑えた」などなど。
でも、これらはすべてウソっぱちだ。1990年代にティーンエイジャーの犯罪件数が激減した原因は、その20年以上前にテキサス州で争われた「中絶の合法化」に関する裁判だ。
詳しくは本書に譲るが、こうした「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理が、実は世の中の現象の本質であることを、彼は実証している。
そして、こうした結論に、他の専門家は誰一人として気がつかないのだ。
本書では、こうしたレヴィットの、目からウロコの分析結果が次々と披露される。
「いいデータがあればテロリストを捕まえる道具ができる」と考える経済学者は彼一人だろう。
ニューヨークタイムズはレヴィットを評してこう書いている。「彼は単純でうまい解決策を生み出す達人として定評がある。ドタバタ劇の真ん中で、機械が動かないのでエンジニアたちがみんなジタバタやっているのを見て、電源が入っていないことに気づく、そんな人だ。」


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posted by サンタ at 01:25| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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